視線入力での文字学習は、肢体不自由のあるお子さんにとって有効な手段の一つです。しかし、Windowsの視線入力では、関係のない部分に視線が向いてしまい、学習に集中できないという課題がありました。
iPadアプリ「ひらがなわかるもん!!」「ひらがなめっちゃわかるもん!!」とiPadのアクセシビリティ機能を活用することで、この課題を克服し、より効果的な視線入力学習を実現できます。
「ひらがなわかるもん」とiPadアクセシビリティの連携
「ひらがなわかるもん」は、ひらがな学習に特化したiPadアプリです。このアプリとiPadのアクセシビリティ機能を組み合わせることで、視線入力による文字学習が可能になります。
視線入力の設定は簡単で、iPadの設定アプリから「アクセシビリティ」→「視線追跡」をオンにするだけです。
視線入力のキャリブレーションと選択決定時間
視線入力を利用する際、キャリブレーション(視線と画面の対応付け)が毎回必要になる点が課題です。しかし、「ひらがなわかるもん」では、選択決定までの時間をアシスティブタッチの拡張予測変換の時間で変更することができます。
アシスティブタッチの設定は、「設定」アプリの「アクセシビリティ」→「タッチ」→「アシスティブタッチ」でオンにできます。
アクセスガイドで学習に集中
iPadのアクセスガイド機能は、特定のアプリの使用を制限する機能です。これを利用することで、「ひらがなわかるもん」使用中に他のアプリを起動してしまうことを防ぎ、学習に集中することができます。
アクセスガイドは、「設定」アプリの「アクセシビリティ」→「アクセスガイド」でオンにできます。
実際に使用した感想と事例
実際に「ひらがなわかるもん」を視線入力で使用したところ、Windows環境と比較して立ち上げが非常に早く、スムーズに学習を開始できました。
国語の個別学習15分間で実践した事例では、これまでスイッチでの選択学習が難しかった視線入力が得意な児童が、eyemotは使いこなしているものの、文字学習にはあまり活用できていませんでした。「ひらがなわかるもん」を導入したところ、視線でひらがなを選択し、読み上げることで、意欲的に学習に取り組む姿が見られました。
「ひらがなわかるもん」の教材作成機能
「ひらがなわかるもん」と「ひらがなめっちゃわかるもん!!」では、イラストと文字を追加して新たな教材を作成することができます。この機能を利用することで、お子さんの興味や学習状況に合わせて、オリジナルの教材を作成することが可能です。
注意
「ひらがなわかるもん!!」のアプリを全問正解したり、広告再生ボタンを押すと、場合によっては意図しないゲーム広告が表示されることがあります。
まとめ
iPadアプリ「ひらがなわかるもん」とiPadのアクセシビリティ機能を組み合わせることで、視線入力による効果的なひらがな学習が可能です。
- 毎回キャリブレーションが必要という課題はあるものの、選択決定時間をアシスティブタッチで調整することで対応できます。
- アクセスガイド機能で学習に集中できます。
- Windows環境と比較して立ち上げが早く、スムーズに学習を開始できます。
- 視線入力が得意な児童が、意欲的に学習に取り組む姿が見られました。
- イラストと文字を追加して、オリジナルの教材を作成できます。
Windowsの視線入力では難しかった学習が、iPadと「ひらがなわかるもん」の組み合わせで実現できます。ぜひ一度試してみてください。
参考資料
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