昨日、駒沢体育館で行われたハンドサッカー大会が無事終了しました。
ハンドサッカー大会に初めて選手の補助として朝の会場準備から閉会式まで参加させてもらいました。
ハンドサッカーは20年以上前から東京都の肢体不自由養護学校の教員の有志でルール作りや運営を行ってきた歴史のある競技です。
すごいところは、ほとんど健常者のように走って動き回れる生徒(肢体不自由校は内部障害だけの生徒も在籍します)から、指先しか動かせない重度障害の生徒まで、出たいという意欲のある生徒は誰でも参加できるところです。
ボールはフィールドプレーでのほとんどはソフトバレーボールが使われます。
しかし、スペシャルシュートというのがあって、そのときは生徒の実体に合わせて、認められれば、どのようなボールを使ってもかまいません。
ボールは直径1mもあるようなバランスボールや巨大なサッカーボール、ボッチャのボール、ソフトボールやテニスボールなど様々です。
またスペシャルシュートの距離も生徒の実態に合わせて設定することができます。
ピッチングマシーンやスイッチなどの支援機器を使うこともOKで、まさに合理的配慮の行き届いたスポーツと言えます。
わが校から出場した生徒もスペシャルシューターとしてピッチングマシーンでシュートする生徒がいました。
その生徒のそばに試合にださせてもらいましたが、実際どのように使っているのか見るのは初めてでした。
ピッチングマシーンは上下の角度や左右の方向が一定であれば、ほぼ同一の飛距離と方向でボールが飛びます。
なので、教員がそれを設置してしまうと意味がなくなります。
試合では生徒自身がピッチングマシーンの向きを口頭で教員に指示。
ピッチングマシーンは台の上に置かれ方向が分かりやすいように長い棒がつけられています。
初回のスペシャルシュートでは生徒が指示した方向の通りにボールが飛び、見事得点を挙げました。
2回目 に廻ってきたとき、生徒が指示を出した方向は教員の私から見るとちょっと初回のときとはずれた方向でした。しかし、そこで口を出してしまえば、明らかにルール違反です。
やはりそのシュートは外れてしまいました。
こういうところで得点できることもあるし、できないこともある。しかしこれが生徒自身の判断で決まるということはとても大事なことではないかと思いました。
他の学校でもボッチャのランプスを使ったり、車椅子に手製のスロープを付けてあったり、投げ方も生徒それぞれ個性があってとても面白かったです。
競技ではしっかり独歩できる生徒が多いところが強いのかと思いきやそうとはいえず、チームワークがしっかりし、障害の重い生徒の特性も生かし切ったチームが強かったように思います。
開会式の話でハンドサッカーは心を育てる競技であり、そのような競技に体罰などあり得ないという話がありました。
本当にそうだなと思いましたし、生徒だけでなく、教員にとっても学ばせてもらえる競技だと思います。
今年から障害者国体のプレ種目となります。この競技が全国に広まるとよいなと思います。
このようなどんな障害の重い人も参加できるスポーツというのは肢体不自由生徒の卒業後の余暇を考えるうえではキャリア教育の大事な要素の一つだと思います。