2010年2月28日日曜日

重度の生徒のコミュニケーションとVTR(動画記録)の重要性







信州カンファで購入した書籍『コミュニケーション支援の世界』 を精読しているところです。

この本の存在は前からなんとなく知ってはいたのですが、これほど重度の肢体不自由児のコミュニケーションについて特化して記した書籍とは思っていませんでした。

もっと早く出会っていればと思うぐらいです。

私が担当しているグループの生徒たちは健康面では医療的ケアが必要であったり、体力が弱く、発作が頻発したりするので、授業中と給食以外では布団で過ごしています。(経管栄養の生徒は注入のときも布団です。)

したがって授業中以外でのグループ教室内の配置は上の図のようになります。(絵が下手ですみません。)

我がグループの生徒は認知の面では、『コミュニケーション支援の世界』の内容によると「聞き手効果段階(Perlocutionary Stage):情動の表出・物への興味を示す行為・大人からの働きかけへの反応等はあるが、まだ信号として十分ではない。この時期では大人が子どもの行為の何らかの意図を表すとものとして受け取り、子どもの意図通りに返すことによってやりとりが成立する。」に相当する生徒たちです。

また手や足が自分では動かせない生徒がほとんどなので、大人が働きかけても、表情や目の動き、呼吸の仕方など反応が微細なものになってきます。

その微細な反応をとらえ、生徒に言葉で返してあげたり、ほめてあげたりし、それによって生徒が喜び、微細な反応が強化されていくことが、大事なコミュニケーションンになってきます。

しかし、一番多く接している担任の教師でさえ、すべての微細な反応を見逃さず捕らえることは至難です。

医療的ケアや姿勢の保持、排痰など、生徒の健康保持に追われているときはなおさら、そこまで、頭が回りにくくなります。

この本ではVTR記録を活かすことが重要だと述べられいて、その具体的な方法も載っています。

我がグループではなかなかじっくり一人ひとりの活動をビデオに録るのは難しく、研究授業で録ったときも一人ひとりの表情まではなかなかとらえられませんでした。

しかしここ最近重宝しているのがi-phoneビデオカメラ機能です。

3回ぐらいボタンを押せばすぐ動画が撮影できるので、ポケットからさっと取り出し、すぐ撮影できます。(2000円ビデオカメラは必要なくなりました。)

私の担当する生徒と大好きな身体の揺さぶり遊びをしながら、1分ほど動画を撮影。

生徒の自発的な表情が出やすいように、単に揺らすだけでなく、ところどころで、「ピッ」といいながら動きを止めてあげると「あれおかしいなあ・・、次もやってくれるのかなといった」といった表情が出たり、目を左右、上下に動かしたりなどの様子が動画で再確認できます。

また布団によこたわってスヌーズレンを目で追っている表情なども動画でよく確認できました。

保護者との個人面談のときもこのときの動画をパソコンの画面で見てもらい、様子がよくわかってもらえたようです。

こういった機器も使いながら、次のステップにつなげるコミュニケーションを考えていくのは大事だと思った次第です。

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